白桃賞 千野千佳「適当」

白桃賞(山田耕司 推薦) 第四回 円錐新鋭作品賞

風光る底のきれいなモノレール

鳥かごのほうれん草の濡れてをり

噴水の跡地にたてる指揮者かな

アイスコーヒー履歴書の端ぬれてをり

五歳ほどの人形をどる木下闇

あめだまを舐めつつシャワー浴びてをり

長梅雨や視力検査のしつこくて

法廷の小窓をのぞく日焼顔

猫にゑさしぼりだしたる盛夏かな

クーラーや適当にかくアンケート

ステージの両端にゐる水着かな

冷房の風に不安をそそられり

壺の湯の順番待ちの裸かな

走りつつ交尾の牛や露の秋

蚯蚓鳴く戦争ものの古本屋

さはやかやスワンボートのなかは船

男性はこぶしをひざに秋の暮

サンタのシール貼られて中華弁当よ

しはぶけばのどの奥より海かをる

門松やうどんにつける小ビール

第四回 円錐新鋭作品賞 推薦句

澤好摩 推薦

         

冬ざるる石の流るる石の川      佐藤日田路   

仏像の胸の弾痕合歓の花        赤木真理

リビングは淋しいところ鳥曇      植田井草 

土偶にはたましひの穴冬銀河      稲畑航平

胸の雪払ひ祈りを真似てをり      西川火尖


山田耕司 推薦

はらわたの無き白菜を真っ二つ    佐藤日田路 

はつなつの白馬が駆けるはずだった   来栖啓斗

短夜や皿濯ぐ水細く出し        赤木真理

座標として枯木はちよつとだけ未熟     沙山 

やることを放置してする自慰や夏至   高村七子


今泉康弘 推薦

如月やかもめは原子炉の真上      砂山恵子

クーラーや適当にかくアンケート    千野千佳

鴨の目に星雲のある人造湖       土井探花

ふらここや憂鬱といふ嗜好品       牧野冴

第四回 円錐新鋭作品賞募集!

俳句の世界は、これほど、広い。

受付開始 2020年1月15日 応募締切 2020年2月15日

審査  澤好摩・山田耕司・今泉康弘

応募用アドレス ensuihaiku@gmail.com

お名前(筆名・本名)、ご住所、メールアドレスなどの
連絡先をお書き添えください。編集部より連絡申し上げます。

未発表の俳句作品20句をお送りください(多行作品は10句)。*作品にはタイトルをつけてください。*締め切り2020年2月15日*年齢・俳句歴の制限はありません。*受賞作品は「円錐」85号(2020年4月末日刊行予定)に掲載いたします。■

第三回円錐新鋭作品賞

第三回 円錐新鋭作品賞


 花車賞(澤好摩 推薦)

「シエフを呼ぶ」  神山刻                →読む


白桃賞(山田耕司 推薦)

「青い万年筆の家」 西生ゆかり                        →読む


特別賞(編集部 推薦)

「七七日」    中山奈々                  →読む


 

推薦句                          →読む


 

選考対談                         読む


 

俳句同人誌「円錐」第 81号誌上にて発表(2019年4月30日発行)

 

 

丸 喜久枝 句集『青鷹』 上梓

円錐同人 丸 喜久枝 句集『青鷹』が出版されました。
啓蟄やいつでも乗れる縄電車
夫の座は子の座となりぬ小豆粥
富有柿独りは眠くなりにけり
秋の日に透く一粒のかたつむり
曼珠沙華動くともなく雲うごく
地吹雪の中の浄土に人けむる
炎天や石の急所に楔打つ
捨て水に女の匂ひ黄水仙
ぜんまいのうなづきあうてほぐれけり
ゆつたりと神の高さに青鷹(もろがへり)

2017年3月15日発行 300部限定(私家版)
著者  丸 喜久枝
発行所 書肆麒麟
装丁  川口 聖
印字版作成 邪馬猫亭